jidoutekina

感想はすべてネタバレ無双

20240912いろいろ見たメモ

ここ最近いろいろな漫画とアニメを見たり読んだりしたので覚え書き。

『メダリスト』
フォロワーのおすすめ漫画。めちゃくちゃ面白かったしかなり好き!!
フィギュアスケートをめぐる小中学生と大人の話。個人的にこういう競技ものの題材でよく引っかかる「才能VS努力」みたいな話への向き合い方が凄くしっくりきて、それが特によかった。
才能ってそんなひとくくりに言えるもんじゃなくて、環境とか金銭とか年齢とか…能力に限らない複合的なもので結果が現れるんじゃないのかよー、というような気持ちがずっとあり。だから「能力そのものでなくて、その能力をいかに使えたのか」という話がたびたび出るのが好き。あひるちゃんのエピソードとかもそれですごいよかったし。
大人のキャラたちも真剣に向き合いつつ、都合の良すぎる理想的な大人でもなく、そこも好き。特に司さんの造形がしっかりと迷い悩んでいて好感度が高い。
みんないいけど萌えでいうと慎一郎先生と八木ちゃん、大和ちゃん、ミケが好きです。

『あたしの!』
実写化の報でけっこう馴染み深いアイドルの皆さんが多く出演されていたので気になって。
親友女子コンビが学校一のイケメンをめぐって恋のライバルになる話で、映画がどうなるかはわかんないんだけど、漫画として読んだ感じ「友情ものとしてすごくいいな」と思った。
親友なんだけど全然イヤなところもあるし、嫌味も言い合うことにもなるし、失敗を祈ったりすることもあるんだけど、それひっくるめて親友なんだよなーというのを明るく元気にやっていて、それが良かった。
「昔AKBに入りたがってたよね」「インスタで広瀬すずに似てるって自分で言ってたよね」ってギスりあう場面がやたら好き。広瀬すずなのが絶妙。

『灼熱カバディ
無料一挙公開期間中に読み、面白かったので書下ろしエピソードも読みたくて単行本をちょっとずつ買った。
熱く爽やかで面白かったー。全編を通して、畦道くんが宵越くんにとって特別な存在として描かれていたのが好きだった。「鍵はミスじゃない」、ずっと待っていたんだろう、という述懐のシーン大好き。
あとちょっと本筋と毛色が違うヴィハーンと山田の話も好き。どこかで人生が変わっていた、どこかで助けられていたようなあの質感がなんか…よかった。
キャラ造形がすごいと思ったのは、奔放さと純粋さが表裏なく同じ場所にある高谷。当たりの悪めだった第一印象から矛盾しないのに、読むほどわかっていくほど好きになれる。
やたら萌えたのは、いつもの真顔テンションでラーメンだの赤子の体重だのボケボケしたことを言い出す神畑。あのナリで自認が子供っぽいなのもなんかやたらcuteじゃんかよ…ってなってた。

『THE FIRST SLAM DUNK
再上映してたので!やっと観れたー。一般上映のとき逃しちゃってて。
あえて原作を読み返さずに行ったんだけど、いい意味でどこまで原作にあったか全然わかんなくて面白かったな。すごくよかった。音周りが特に。映像づくりも、今の技術と原作の絵の感じをうまく両立させてて、「今やるからこそ出来た」映像を文句なしに出してこられた感じがした。ラスト数分の試合の躍動感と緊張がマジでドキドキしたなー。主題歌も両方とも最高で、イントロ聞くだけでウオオオ!!!ってなれる。
実のところリバイバルブームってあんま好きじゃないんだけど、これはかなり嬉しい再アニメ化だった。もともとここ前のアニメでもしてなかったわけだし。キャストもリアル目の質感で揃えてて合ってる合ってるーってなった。特にどことなく素で気障っぽさのある三井と、学者っぽい神経質さがある安西。

『オッドタクシー』
ずっとウォッチリストに入れっぱなしだったやつ。
話そのものの組み立ても巧かったけど、それよりも話自体のキツい要素をポップに仕立てる技が巧いなーと思った。出てくる恋愛構図とかキャラの行動原理とか、結構「うっ」ってなるやつ多いんだけど、動物のナリとかだらっとした会話で食べやすく感じる。
メインである小戸川のささやかな再起みたいなところがよかった。
キャラ造形的には、暴力性と小賢しさ・余裕と焦り・懐っこさと横暴さを絶妙に共存させてるドブと、逆恨みにすら若干飽きながら自分のつじつま合わせのために引けてない田中が好き。

『チ。-地球の運動について-』
これも面白かったなーー。何かを知りたいという気持ちに、業とか衝動の色があるのがよかった。題材的にちょっとバランスを崩すと傲慢になりやすい話なのを、すごく絶妙に持ってきてるな~と思うことしきり。
特に二章の三人の友情がとても好きで、他人同士が影響しあう楽しさとか、終わりが見えてしまうからこその輝かしさとか、拷問を前にしての相手への思慮とか…そういうひとつひとつがよかった。
オクジーの本をこそバデーニが残そうとするところがとりわけぐっと来ていた。そこに書かれた感動を残すべきだと考え行動したことが、すごく友情や敬意のあらわれだよなと…。
そしてずっと後になってその本の中身をやっと聞けたヨレンタの気持ちを思うと、どこまでも寂しくて切なくて力強くていい。