jidoutekina

感想はすべてネタバレ無双

『葬送のフリーレン』11巻まで読んだ

アニメ見たらすごい良かったから読んだ。

えー、これすごい好きなやつだな…と読んでて始終嬉しくなる感じのやつで、読めてよかったです。

会話の感じがいい。ほどよくこちらに伺わせてくるけれど難解すぎない、でも余地のある、淡々としているようで情熱的、みたいなバランスがちょうどよく。

キャラクター造形も好きだな~。みんな好きです。キャラデザとかキャラの服装も好み。

特に人となりが好きなのはアイゼン(アニメの喋り声も超いい)と、読んでてじわじわ好きになってきたのがゲナウとフェルン。

ゲナウさん、作品の語り口のいいところが出まくっている造形でいい。平静に、自分はこういう人間で、こう考えていて、こういうことがあって…と「自分は冷たい奴」という認識で語ってて、ゼーリエさんも言葉だけならそれに乗ってるように見えるんだけど、読者も他の登場人物も「いや…そうだけどそうじゃないじゃん!めっちゃ大事にしてんじゃん!村の思い出!」って自然となれてしまうのがうまい。

フェルンは…かわいい。最初は普通にかわいいな~くらいだったんですが、どんどん面倒くさくって独占欲があって構われたがりな、おしゃまなお姉さんぶりたい少女くささがガンガン出てきて、それがすごくかわいく感じられる……。

戦災孤児であった彼女がこういう図太さを持っているあたりに、ハイターが彼女を甘やかして愛して育てて来たのがわかる。

 

好きな単発エピソードはフォル爺の話と皇帝酒の話。
どっちもドワーフの爺さんが出てくるな…。

フォル爺の話はフリーレンとフォル爺の会話のセリフ回しがものすごくツボで、端的でいながら情緒が汲み取れて大好きです。「そうか。ついに魔王を倒しに行くのか」とその返事のあたり、好きすぎる…。

皇帝酒の話は人生・出来事の意味付けの話をさらっと軽やかにしているのがいい。まずい酒ってモチーフもいいし。酒好きなのでそういう意味でもわかる…となるし、フリーレンの躊躇いも彼女らしい良さがあって、いいエピソードだと思う。オチも好き。

 

黄金郷の一連のエピソードは、前々から好きそうだよーと教えてもらってたんですが、まー好きですね…。

なんか「これってこういうことだよね」って言おうとすると全部野暮になりそうだなあとなかなか言語化できない良さ。

マハトとソリテールはそれぞれ「人間を知りたいよね」という主題へのアプローチとしてすごくいいエネミーだった。
マハトの能力が『すべてを永遠に不変で永遠に輝いたままの、この世の何でもない黄金に変えてしまう』ものなのがまず…いいよね!
これだけでもういろいろ「ああ~…!」ってなってしまう。

デンケンは試験のときからもう好感度すごかったのにもうこんなの…みんな大好きになっちゃうだろ…という後悔と再起と愛情がもうすごいし…。

マハトとグリュッグ周り、どれもいいけど娘がデンケンを好きなのか、だから言ったでしょうの会話が好き。
ここの関係は、最後が「存じております」なのがすごい。ここの一連のシーン、最後の言葉はもうこれ以上いいのないなあ、と思える、過不足の無い美しいセリフだと思う。

アニメも続き見ていきたいな~。劇伴もすごくいいんだよね~。