jidoutekina

感想はすべてネタバレ無双

パラノマサイトのプレイメモ(後)

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』プレイメモ&感想の後半! もちろんネタバレ無双


そういえばセイマン周りのメモし忘れてた。
新石先生は好きですね。
このポジで全然黒幕じゃないのがおもしろい。蘇りにも興味なさそうだし。
消えずの行灯、使いにくそう…。携帯電話が普及したらマジで弱くなるし…
でも未知を解明する立場の男がそういう能力を手にしてるのは面白い。

・幽暗
そういえばこれプレイできるじゃん!と気づいてこっちに。
ウロボロスシンドロームみたいな呪詛珠きた。
これ、急に「呪主みんな死ねば終わる!!死ね~っ!」てなったら皆死んで終わるってこと?すごくない?
上に電気があるの気づかなくてずっとぼんやりうろうろしていた。
ファクシミリのとこは難しかったので調べた。
ここの名前入れるくだり面白いなー。吉見さんいい人過ぎる。
ヒハク横暴すぎる!

・大捕物
葦宮マジでそいつだったのー!?ショック
マジで黒魔術のために殺してるんですね。生い立ちの長めの資料もらえておもろかった。
生き延びた奇跡があってそれを理解するために黒魔術を信じた、というイメージ。必要な理屈がそれだったのだろう。
同様に、赤子が生まれ変わりっていうのはまあ 現実逃避っていうか、傾倒したものへの辻褄合わせなんだろうなー。
やっぱ娘あやめ!?!?
ウオオ逃げる…死んでる…おお 何があった!?

・分岐エンド(葦宮)
津詰さん……!こんなのってないよ
あと葦の呪詛珠の条件めんどくさ!!!草だけに
資料の「生徒の顔や名前を憶えている」はこういうことなんだなあ。夜に家にいると仮定して行使するのも面白い。これヤッコちゃんたちも入るのかな…。
消えずの行灯とは逆に、こっちは現代になるほど使いやすそうな呪詛珠ですね。あーでも身長とかもあったっけ…?むずいか ていうか葦宮の記憶力すごくない!?
アシノ、なんでいるんだろう?死んだ彼女とアシノ関係ないと思ってたんだけどな。

・春恵/最終手段
ここ超楽しいな…。
太鼓の条件なんなんだろうというのもワクワク。探り合いが楽しい。
春恵がメッチャ焦った時に選択肢がブワッと増えるの、憔悴した人間の散らばった思考出てて好き。
春恵とあやめの会話が「警察の身内イヤだよねー」は同意だったのもおもしろい。
このシーン、あやめの人となりが春恵との会話でいろいろ見えてくる感じがする。

「春恵のそれは依存である」「自分はこの願いのためならば自分も死んでいいと思っている」という話について。
春恵については本当にそうだねというところ。すごく普遍的、ありふれた意味において子供に依存する母親で、ただ 息子が生きて大きくなったときに、それがいろいろある中で緩和される可能性だって勿論あったはずで(逆もしかりですが)そういう可能性すらなくなって更にという感じなんだろうな。
ここのプロタンの「息子のために何でもできる自分をアイデンティティにしてはいけない」って言い回しが正鵠を射ていると思う。
彼はたぶん前々からそう思っていて、その上で彼女の望みにある程度まで付き合う形を選んでて、そこがすごく好きです。
よく知らない人にそんなこと言われたって聞けないだろうし、あの局面でやっと彼がそう言ったことに、春恵を尊重しつつ心配している感じがあって。春恵さんの探偵がリヒタでよかったよ…。

一方で、あやめの「自分はこの願いのためならば死んでいいと思っている」っていうのはどうなんだろうという話。私はこれも依存だよね~と思っている。
「自分が死んでもいいから、自分の思う最高の芸術家を蘇生させたい」という願いの根幹には、もちろん北斎への執着だけでなくて、自分自身への価値の見出せなさがある。気がする。
その願いを持ち行動しなければ、自分が自分に価値を見出せない。
あやめは資料やセリフを読んだ中でも、「若い女子大生の自分」の価値を利用していて、自分の美術の才能は見限っている。そして後のシーンからして親からの承認を実感できていない。何もかもを取っ払った自分を、無条件に信じられないんじゃないのかなあ。そこは並垣とも共通している。
北斎の価値が彼女の中で高いだけではなくて、他のすべてがものすごく価値が低いんだと思う。
推し活依存だな……。

最初はここで普通に渡す正規ルートへ行った。後で二種分岐EDがあると知って回収しにいったけど、あやめのほうなかなか辿り着かなかった(その間に二回拍子木で送った)。
春恵エンド、美しい…。リヒタの事務所に息子が来るの、いろいろ勘繰らせてくれて面白いですね。リヒタの心境も想像したくなるし、これもかなり好きなED。
あやめエンドは 津詰さーん!! でもあやめはそうするよなあ。
私は先に書いた通り、あやめは自分の価値を見出せない人だと思っているので、彼女がどうやら北斎の憑依体として成功しているらしい事実は「自分自身の無価値さを証明した」感じがあって……趣深いです。

・やっこ/やってやります~決戦の前
本来のヤッコちゃんの性格がここでやっとわかった。
資料通りの明るい江戸っ子でかわいい。ドヤーファサーって感じの差分と、キャー(ノリノリ)みたいな差分が好き。
ヒハクの社長…信じてたぞ!
でも弓岡が自白剤だの後ろからワンキルだのしてたのはいかんよ!
この社長はどっかで見てみたかったですね。凄腕社長が単純にオカルト好きでインチキオカルト(霊感なし)やってたの好きだし。
裏にヤバい会社の陰謀が…みたいなのそんなに興味がないので、そういう系のオチじゃなくて嬉しい。
津詰さんに寿司をおごらせたいくだりマジでかわいい。ヤッコミヲのノリが、憑依が解けたのでちょっとキャピキャピしてて…そこがすごく愛おしい…。いつまでも仲良くしててね。

・結末
やったあー!父娘対決だー!
このシーンの父と娘の通い合わなさ、信頼の失われぶりにニコニコしてしまった。呪詛珠の能力が近いのも萌える
津詰さんで色々聞いていくとき、人質の話を最初には訊かなかったんですが、「そうやっていつも人の心配より先にしたい話をするんだね」みたいに言われてかなり、かなりよかったです。
仕事一筋で家庭を顧みない父親を恨んでいる不仲な娘の質感 嬉しい
これ、津詰妻の視点でもかなりイヤだったのでは…と思ってしまいますね。死産になった実子のかわりに夫の仕事の犯人の娘を育てることになり、しかも夫は家に関与しないの、イヤすぎる。あやめを連れて別れてるあたり、情がないではなかったんだろうけど。
ここまで遊んできて津詰を大好きになっているし、呪詛珠抜きにあやめは結構ヤバく、そういう印象でこういう局面を見るのってレアかもしれない。
プレイヤーとしては津詰があやめを大事に思っていることはわかっているけど、あやめからすれば分からないし、ここまで見てきたあやめの思考からしても「自分が存在そのものをまるっと認められて育てられた実感」が薄い印象がある。だから願いに他者を巻き込んでいいし、そのために死ねる。自分にも他人にも認められる価値がない。
「娘のために正義を曲げることはできない」ところが津詰さんのいいところで、そしてあやめがこういう風に感じている部分でもあるよね…という一連の会話も良かった。
…ということに対して、自分の命を使って「自分にとってのあやめの価値」を示す、というのが津詰さんの回答なのだろう。
私が津軽の太鼓なら(オタクの太鼓)、「こりゃ~あやめは津詰の娘だね!!隠し事なんかじゃないよ~!」と発動しなかったところなんですが そうではなかった…
春恵とのシーンの選択肢でも思ったんですが、津軽の太鼓の「隠し事が発覚したとき」っていう条件定義って「事実を隠す・偽る行動を相手が取る」「あやめがそれを『隠された』と認識する」の両方を踏むわけで。根島の子であることが隠されて育った以上、ここで津詰がどう答えても条件は満たしていたんだろうか。どうなんだろうな…ただ、なんとなくあやめは「違う」と答えてほしかったのではという気がする。
難しいな…。このあとあやめがどうしたのかは分からないけど、以降触れられていない以上、呪詛珠は手放したのかな。だとしたらどういう心境でそうしたのかとか、いろいろ考えてしまう。

あやめの話が長い!戻ります。
「今度はエリオさんにか」って言うミヲちゃん、プレイヤーの存在に気づいてるっぽい。
エリオとミヲのコンビも楽しそうだな…と思ったところ。
魂と精神と肉体、なるほど、なるほどね…!!!送り提灯がああいう能力だったのも納得!
ウワアーー葉子!!!おまえーー!
ていうか久々に見たけど、置いてけ堀やっぱ強いな。不審者ムーブして去らせるのかなり便利じゃない?
開示資料、よ、葉子ー!何!ああっていうか呪詛珠の所持者一覧で 置いてけ堀が興家くんじゃなくて空欄なのはそういうこと!?

~ここからかなり彷徨って調べ辿り着く~

・解除
答え合わせ助かる!
「私」の正体は丁寧にヒントが散りばめられていて、こういうネタがしっかり納得できるのが嬉しい。
そんでそれをガン無視してウオオオ殺すぞ!!!してた興家ヤバすぎるな…。呪詛珠の影響を強く受けたのかもしれないけど、それにしてもすごい。ヤッコちゃん即死だったんですけど!?
思えば、このゲームは本来最初で終わっていたとも言えるのかな…と思ったんですが、そのときだとまだ「揃って」はないから呪詛珠は残るのか。ここでじゃないとダメか。
最初のシーンに帰ってきてのこの答え合わせ、感慨深くて楽しい…。

・最後
ここからはプレイヤーの干渉の無い、それ以前の事件だけが残った時間なんですね。
興家の異様な納得の良さ面白すぎる 死体を置いていくな…興家と葉子、そういう意味では運命だしお似合いだよ!失恋みたいなムードだけどそれどころではないんですが…!会社にアドバイスに行くな!
津詰さん生きててよかった。轢き逃げ事件は起こっているので、そこであやめと話すんでしょう。どうなるんだろうな…。正直、別に不和が解消されたほうがいいとは思っていなくて、どれほど愛してたにしてもこちらが愛せない…というのは当然発生するし、そもそものこれまでの時間もあるだろうし…そういうもんだろう。
だからここは、その後が描写されていないところが良いなと思う。それがいい。
春恵サイド。岩井、これだとまだ生きてるんだった…!そこの逮捕と真実に向き合っていく流れなんだな。リヒタに対して信頼しかないので、彼が寄り添っててくれるなら大丈夫だと思える。正真正銘のプロタン。
ヤッコサイド。こちらはこちらで真実を知るんですね…。美智代の言葉は聞けないけど、ここではヤッコちゃんが悔やんでいた「殺させてしまった」ことはさせないで済んでいるんだな。
ヤッコとミヲの後悔と向き合い方がすごく好きだったので、きっとまたたくさん後悔しながら向き合っていくんだろうと、こっちもまた信頼がある。そしてああいう事件にならなくても、乗り越えていく彼女たちは親友なんだな…。
以前に死んだ命は戻らないけれど、それでもなお信じてプレイヤーがキャラを送り出せるような余韻があり、しみじみといい終わりでした。
面白かった……。

なんかこうすべてのバランスがちょうどいい感じのゲームで、楽しかったな~。
キャラの掛け合いもほどよく明るく、かといってシリアスさを損なわないところがよかった。こういうのって雰囲気を損なうレベルになりやすい気がするので、そこを良い感じに保ってるのがすごいなと思う。
キャラデザもレトロさありつつ特徴と見やすさ兼ね備えてて、服装もかわいい(葉子と並垣とあやめが特に)。実際の錦糸町周辺の探索感も楽しかった。
葉子周りだけはもうちょっと台詞で補完欲しかったかも。そこはなんか見てみたいかな。
分量がちょうど良かったので、これくらいの感じでのめり込めるやつもっと増えると良いなー。安価でこの分量なのかなり今に合っていると思うし、やり易かった。
後はちまちまなめどり集めてきま~す!